「位置情報」の調査方法②tracerouteから

位置情報の調査方法、2つ目は「traceroute(トレースルート)」。つまりネットワーク機器の繋がりを元にしたIP Geolocation調査の方法です。調査方法の解説の前に、インターネット上でデータがどのように伝達されているかを整理しておきましょう。

インターネットは、「ルータ」と呼ばれるネットワーク機器が相互に接続された網目状のネットワークで形成されています。ルータの主要機能は、次にどのルータにデータを転送すればいいのかを判断することです。データには、データの送信元と宛先の情報が付与されています。データを受け取ったルータは、宛先の情報を元に隣接するルータのうちでもっとも宛先に近いルータにデータを転送します。次のルータも同様にして、隣接するルータから次の転送先を選びます。この繰り返しによって、データは最短経路で宛先に届けられるのです。

図:tracerouteの中継ルータのホスト名から判定
tracerouteの中継ルータのホスト名から判定

ここでポイントとなるのが、アクセスユーザは最寄りのルータの位置と地理的に近い位置に住んでいる可能性が高いということです。ルータの位置を特定することで、それを最寄りのルータとして使っているアクセスユーザの位置を判定することが可能です。逆に、ユーザの住所が分かれば、最寄りのルータの位置を知る重要な手掛かりとなります。

図:tracerouteコマンドの例
tracerouteコマンドの例

この調査にはネットワークに関する知識と経験が求められます。サイバーエリアリサーチでは専任のスタッフ(Net Tracer)によって、継続的な調査が行われています。経路の変化を検知し、毎月10~20%を更新しています。


位置情報判定の確実性を高めるために、調査方法は1つではなく複数用いられます。つづいては、お客様からの情報提供やフィードバックによる調査の仕組みをご紹介します。

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