Webサイトへのアクセス数は増えているのに、なかなか問い合わせや売上に繋がらず、もどかしい思いをしていませんか。
自社のサイトを訪れているのが誰なのかがわかれば、攻めの営業ができるのにと考える担当者の方は非常に多いです。
この記事では、Webサイトの閲覧者をどこまで特定できるのかという疑問に答えつつ、訪問企業を割り出して営業活動に活かす具体的な手法やツールについて解説します。
読み終わる頃には、匿名のアクセスを宝の山に変えるためのアクションプランが明確になっていることでしょう。

Webサイトの閲覧者はどこまでわかるのか?

Webサイトを訪れたユーザーが誰なのかを知りたいと考えたとき、まず理解しておくべきなのは「特定できる情報の限界」です。
インターネットの仕組み上、あらゆる訪問者の氏名や住所が手にとるようにわかるわけではありません。
しかし、BtoBビジネスにおいては、営業活動に十分役立つレベルで「組織」を特定する方法が存在します。
ここでは、技術的に何がわかり、何がわからないのかを整理します。

以下の表は、一般的なWeb解析技術で取得できる情報とできない情報の違いをまとめたものです。

特定対象 取得の可否 取得可能な主な情報
個人 原則不可 ブラウザの種類
使用デバイス
地域(市区町村レベルまで)
閲覧ページ履歴
企業(法人) 可能 企業名
業種
所在地
電話番号
代表IPアドレスからのアクセス情報

個人の特定は原則として不可能

Webサイトを閲覧しただけで、その人物の「氏名」「個人の電話番号」「個人のメールアドレス」といった詳細な個人情報を特定することは、原則としてできません
これはプライバシー保護の観点からも重要であり、技術的にもブラウザがそこまでの情報を自動的に送信することはないからです。
もし閲覧しただけで個人名まで抜かれてしまうとしたら、安心してインターネットを利用することはできなくなってしまいます。
したがって、あくまで匿名のユーザーとしてのアクセスデータが残るのみであり、そこから「佐藤さんが見ている」といった個人レベルの特定には至らないという点を前提として理解しておく必要があります。

IPアドレスから企業情報は特定できる

個人名の特定は難しい一方で、固定IPを利用している企業からのアクセスであれば、高い精度で企業名を判定できるケースがあります。
企業や大学、官公庁などは、自組織専用の固定IPアドレスを割り当てられてインターネットに接続しているケースが多くあります。
このIPアドレスと、企業名や所在地が紐付いたデータベースを照合することで、「〇〇株式会社からのアクセスである」と判別できる仕組みです。
BtoBマーケティングにおいて「Webサイトの閲覧者がわかる」と言う場合は、通常このIPアドレスを用いた企業名の特定を指しており、ここから営業アプローチをかけることが可能になります。

Cookie情報でユーザー行動を追跡

企業名の特定に加えて、Cookie(クッキー)という技術を活用することで、ブラウザ単位での行動履歴を追跡できるようになります。
Cookieはユーザーのブラウザに一時的に保存されるテキストファイルのことで、これにより「このユーザーは3日前に料金ページを見て、今日は事例ページを見ている」といった一連の行動を把握できます。
あくまでブラウザ単位の識別子であるため、これ単体で「鈴木さん」という名前まではわかりませんが、「何度も訪問して検討度合いが高まっているユーザー」を見つけ出すことには大いに役立ちます。
この行動データと前述の企業IP判定を組み合わせることで、より精度の高い見込み顧客のあぶり出しが実現します。

サイト訪問者を特定するメリットは?

Webサイトの閲覧者を組織レベルで特定できるようになると、これまでの「待ち」の営業スタイルを大きく変えることができます。
単にアクセス数を見て一喜一憂するのではなく、具体的な企業名をターゲットとして捉えることで、マーケティングと営業の連携がスムーズになります。
ここでは、閲覧者を可視化することで得られる具体的な3つのメリットについて解説します。

見込みの高い顧客に営業できる

最大のメリットは、自社の商品やサービスに現在進行形で興味を持っている「今すぐ客」に近い企業を見つけられることです。
Webサイトの特定ページ、例えば料金表や導入事例、機能詳細ページなどを熱心に見ている企業は、何らかの課題を持って解決策を探している可能性が非常に高いと言えます。
テレアポや飛び込み営業のような無作為なアプローチとは異なり、ニーズが顕在化しているタイミングで連絡を取ることができるため、アポイントの獲得率や商談化率が格段に向上します。
相手が情報を求めているタイミングを知ることは、営業活動において最強の武器となります。

Webサイトのコンテンツを改善できる

閲覧している企業の業種や規模の傾向が見えてくると、Webサイト自体のコンテンツをより魅力的に改善するためのヒントが得られます。
例えば、想定していたターゲット層とは異なる業界からのアクセスが多いことがわかれば、その業界向けの専用ページや事例紹介を追加することで、さらに問い合わせを増やせるかもしれません。
また、多くの企業が離脱しているページや、逆によく読まれている記事を分析することで、サイト内の導線を最適化したり、訴求ポイントを修正したりといった具体的な改善施策を打つことができます。
具体的な顧客像をイメージしながらPDCAを回せるようになる点も大きなメリットです。

営業活動の効率が大幅に向上する

訪問企業の情報があれば、営業担当者は事前に相手企業のことを調べた上でアプローチの準備ができます。
どのページを見ていたかという閲覧履歴は、その企業が抱えている課題や関心事項を推測する重要な手がかりになります。
何も知らずに電話をかけて一からヒアリングをする場合に比べ、仮説を持って会話をスタートできるため、初回の接触から深い提案が可能になります。
結果として、無駄な架電や見込みの薄い商談を減らし、受注確度の高い案件にリソースを集中させることができるため、営業チーム全体の生産性が飛躍的に高まります

Webサイトの閲覧者を特定する具体的な方法

では、実際にどのような手段を使えばWebサイトの閲覧者を特定できるのでしょうか。
無料で手軽に始められる方法から、本格的なツールを導入して詳細な分析を行う方法まで、いくつかの選択肢があります。
自社の予算や目的に合わせて最適な手法を選ぶことが成功への第一歩です。
ここでは主要な4つのアプローチについて紹介します。

Googleアナリティクスを活用する

多くのWebサイトで導入されているGoogleアナリティクス(GA4)でも、ある程度の閲覧者情報を推測することは可能です。
GA4のレポート機能を用いれば、アクセス元の地域や利用しているネットワークプロバイダ情報などを確認できます。
ただし、Googleアナリティクスは本来プライバシー保護を重視したツールであるため、個別の企業名を明確にリスト化して表示する標準機能は備わっていません
あくまで傾向把握や一部の企業名を拾う程度にとどまるため、本格的な営業リスト作成には限界があることを理解しておく必要があります。

参考:Google Analytics|Google for Developers

企業情報特定ツールを導入する

営業リストとして活用することを目的とするなら、専用の「企業情報特定ツール」を導入するのが最も近道です。
これらのツールは、独自のデータベースとIPアドレスを照合し、Webサイトを訪れた企業名を自動でリスト化してくれます。
企業の公開情報(業種・所在地など)を付与できるものもあり、「料金ページを見た企業」など特定の行動をした際に通知メールを送る機能を持つものも多く、営業のタイミングを逃さない仕組みが整っているのが大きな特徴です。

たとえば「どこどこJP」は、IPアドレスに紐づく「組織(企業)」「地域」「回線」などの情報を取得できるIPインテリジェンスAPIです。
アクセスログや解析ツールのデータに企業判定情報を付与することで、「Webサイトの閲覧者が“どの企業か”わかる」状態を作りやすくなります。
さらに、Googleアナリティクス連携にも対応しているため、既存の分析環境を活かしながら企業軸の分析・リスト化を進めたい場合にも都合の良い選択肢となります。

【関連記事】 どこどこJP公式サイト|IP Geolocation and IP Intelligence API

MA(マーケティングオートメーション)を使う

MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入することも、閲覧者を特定し、さらにその後の育成まで行うための有効な手段です。
MAツールは、IPアドレスによる企業特定機能に加え、メール配信機能やフォーム作成機能などが統合されています。
メールマガジン経由で訪問したユーザーであれば、Cookieとメールアドレスが紐付き、特定の個人の行動履歴まで把握できるようになります。
匿名顧客を実名顧客へと引き上げていくプロセスを自動化したい場合には、MAツールの活用が適しています。

名刺管理ツールと連携させる

社内で名刺管理ツールを利用している場合、そのツールにWebアクセス解析機能が付随しているか、あるいは連携が可能かを確認してみると良いでしょう。
名刺交換をしたことがある企業からのアクセスであれば、過去の接点情報を活かしてスムーズな再アプローチが可能になります。
登録企業が自社サイトを閲覧した際に通知を送る機能を持つサービスもあり、「休眠顧客」が再び興味を持ったタイミングを検知し、掘り起こし営業をかけるといった活用もできます。

閲覧者特定ツールを選ぶ際のポイント

数多くのツールが存在する中で、自社に合ったものを選ぶにはどうすれば良いのでしょうか。
機能が多ければ良いというわけではなく、自社の営業フローにフィットするかどうかが重要です。
ツール選びで失敗しないために、比較検討時に必ず確認しておきたい3つの基準について解説します。

取得したい情報の範囲で選ぶ

まず確認すべきは、そのツールがどの程度の精度と深さで企業情報を付与してくれるかという点です。
単に企業名がわかるだけでなく、ターゲット条件に合う企業かどうかを判断するための情報(例:業種/従業員数/設立年/代表電話番号など)が網羅されているかをチェックしましょう。
データベースの質や更新頻度はツールによって異なります。
営業ターゲットがニッチな業界である場合は、その業界の企業データが十分にカバーされているか、無料トライアルなどを活用して実データで確認してみるのがお勧めです。

通知機能の使いやすさを確認する

営業活動に直結させるためには、見込み顧客がサイトを訪れたことをいち早く知るための通知機能が欠かせません。
重要なページを閲覧した直後にメールやSlackなどで通知が飛ぶ仕組みがあれば、競合他社に先駆けて即アプローチが可能になります。
この通知の設定が柔軟に行えるかどうかも重要なポイントです。
「トップページを見ただけ」で通知が来るとノイズになりやすいため、「料金ページを3回以上見た」「資料請求ページで離脱した」など、確度の高い条件でフィルタリングできるかを確認しておきましょう。
現場の営業担当者が使いこなせるシンプルさも大切です。

費用対効果を十分に検討する

ツールの導入には当然コストがかかりますが、月額費用と得られるリードの価値が見合っているかを慎重に検討する必要があります。
高機能なMAツールは月額数十万円することもありますが、閲覧企業の特定に特化したシンプルなツールであれば、月額数千円〜数万円程度で利用できるものもあります。
自社の目的が「まずはどんな企業が来ているか知りたい」段階なのか、「リードナーチャリングまで含めて自動化したい」段階なのかによって、適切な投資額は変わってきます。
まずはスモールスタートで導入し、成果が見えてきたら高機能なプランやツールへ移行する、というステップを踏むのも賢い方法です。

サイト閲覧者を特定する際の注意点

Webサイトの閲覧者を特定して営業活動に活かすことは強力な手法ですが、一歩間違えると企業のブランドイメージを損なったり、法的なトラブルに発展したりするリスクもあります。
テクノロジーを活用する際には、常にユーザーへの配慮コンプライアンス意識を持つことが不可欠です。
導入前に必ず押さえておくべき3つの注意点について説明します。

個人情報保護法を必ず遵守する

企業名の特定は基本的にIPアドレスを利用するため個人情報には当たりませんが、Cookie情報などを組み合わせて個人を識別できる状態で管理・利用する場合には、個人情報保護法の規制対象となります。
特に改正個人情報保護法では、Cookieなどの識別子も「個人関連情報」として扱われ、第三者に提供する場合や個人データとして紐付ける場合には本人の同意が必要となるケースがあります。
ツール導入時には、日本の法律に準拠しているかを確認し、法務担当者とも相談のうえで適切な運用フローを構築することが求められます。

参考:個人情報保護法等|個人情報保護委員会

プライバシーポリシーに明記する

Webサイト上でどのような情報を取得し、どのように利用するのかについて、プライバシーポリシー(個人情報保護方針)に明確に記載しておく必要があります。
「当サイトでは、サービス向上およびお客様に適した情報提供のためにCookieやアクセス解析ツールを使用しています」といった文言に加え、利用している具体的なツール名オプトアウト方法へのリンクを設置することが推奨されます。
透明性を確保し、ユーザーに誠実に情報を開示することは、企業としての信頼維持の前提条件です。

訪問者に不快感を与えない配慮

ツールで閲覧履歴が把握できたからといって、いきなり電話で「先ほど弊社の料金ページをご覧になっていましたよね?」と伝えるのは避けるべきです。
相手からすれば、自分の行動を常に見張られているように感じ、不信感や恐怖心を抱かせてしまう可能性があります。
あくまで「Webサイトをご覧いただいた企業様にご連絡しています」「最近〇〇分野で課題を抱える企業様が増えています」といったように、きっかけをぼかした自然なアプローチが営業のマナーです。
得られた情報は社内戦略に活用し、対外的にはスマートな振る舞いを心がけることが成功の秘訣です。

まとめ

この記事の要点をまとめます。

  • Webサイトの閲覧者は、IPアドレス解析により「企業単位」であれば特定可能であり、営業リストとして活用できる
  • 閲覧企業がわかれば、ニーズが顕在化したタイミングで見込みの高い顧客へ効率的にアプローチできる
  • ツール導入時は、取得情報の範囲通知機能を比較し、プライバシーポリシーの整備や営業トークへの配慮を忘れないことが重要
  • Webサイトへの訪問者は、あなたの商品やサービスに関心を寄せている未来の顧客である

ただアクセス数を眺めるだけでなく、誰が来ているのかを解像度高く把握することで、Webサイトは24時間働く営業資産へと進化します。
まずは無料トライアルなどを活用し、自社サイトにどのような企業が訪れているのかを確認することから始めてみましょう。
そこから、攻めの営業活動への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

Webサイトの閲覧企業を可視化し、営業活動に活かしたい方は、
ぜひ「どこどこJP」の資料をご覧ください。