Webマーケティングや広告運用を担当する中で、Cookie規制への対応に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、Cookie規制の基本的な仕組みから、2026年における最新の動向までをわかりやすく解説します。
読み終わると、自社のWebサイトや広告運用でどのような対策を打つべきかが明確になり、すぐにCookie規制への対応へ移せるようになります。
結論をお伝えすると、Google ChromeによるサードパーティCookieの完全廃止は撤回されたものの、Safariなどのブラウザ規制や日本の法律による制限は現在も強化されており、ファーストパーティデータを活用した対策が急務と言えます。
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この記事でわかること
- Cookie規制の現状
- Cookie規制がマーケティングに与える影響
- Cookie規制への対策
Cookie規制とは?知っておきたい基本概要
Cookie規制とは、インターネット上でユーザーの行動を追跡する技術の利用を制限し、プライバシーを保護しようとする世界的な動きのことです。これまでは、ユーザーがどのWebサイトを見て、何に興味を持っているかというデータを企業が自由に収集し、広告配信などに活用してきました。
しかし、個人のプライバシーを守る権利が重視されるようになり、法規制やブラウザの機能によって、データの無断収集を防ぐ仕組みが導入されるようになりました。

以下の表に、Cookie規制に関連する基本的な用語と意味を整理します。
| 用語 | 意味と役割 | 規制の影響度 |
|---|---|---|
| Cookie全般 | ユーザーのブラウザに一時的に保存されるテキストデータ | 全体が対象ではない |
| ファーストパーティCookie | 訪問中のWebサイトが直接発行し、ログイン状態などを保持する | 比較的影響は少ない |
| サードパーティCookie | 訪問中のWebサイト以外の第三者が発行し、サイト横断で追跡する | 規制の主な対象となる |
なぜ進むのか?Cookie規制が強化される背景
Cookie規制が世界中で急速に進んでいる背景には、インターネット利用者の意識の変化と、それに伴う国家レベルでの法整備があります。Cookieのなかでも、とくに問題視されているのが、サイト間をまたいでトラッキングできるサードパーティCookieです。サードパーティCookieはユーザーの意思に関係なく行動履歴を収集するため、プライバシーの侵害に当たるとされています。
デジタル化が進むにつれて、個人情報が企業の利益のために無断で利用されることへの不安が広がりました。
その結果、各国の政府が法律で制限を設け、ブラウザを提供する巨大IT企業も自主的な規制を強化せざるを得なくなったという経緯が存在します。

Cookie規制が強化された主な理由と背景を、以下の表にまとめます。
| 規制強化の背景 | 概要 | 具体的な動き |
|---|---|---|
| ユーザー意識の変化 | 自分のデータがどのように使われているか不安に感じる人が増加 | プライバシーを重視するサービスの需要増 |
| 国家による法整備 | 個人の権利を守るために厳格なルールを制定 | EUやアメリカをはじめとする法律の施行 |
| ブラウザの自主規制 | 法律の施行に先立ち、技術的な制限を導入 | Appleなどのプラットフォーマーによる追跡ブロック |
なぜこのような動きが加速しているのか、さらに具体的な理由を深掘りしていきましょう。
参考:Cookieとは?仕組みやできること、企業が利用する際の注意点を解説
プライバシー保護とユーザー意識の高まり
スマートフォンが普及し、日常のあらゆる行動がデジタルデータとして記録されるようになると、プライバシーへの懸念が一気に高まりました。自分が検索した商品の広告が、別のサイトを見ているときにもしつこく表示される経験をしたことがある人は多いはずです。
このような追跡型の広告は便利である一方で、監視されているような不快感を覚えるユーザーを増やしてしまいました。自分のデータを自分で管理し、同意のない追跡を拒否したいという消費者の声が、Cookie規制を後押しする大きな原動力となっています。
【2026年最新】Cookie規制の現状
Cookie規制はすでに始まっており、国内外で段階的に規制が実施されています。2026年現在、Cookieをめぐる環境は目まぐるしく変化しており、昨日までの常識が通用しなくなることも珍しくありません。
現在の主要な規制状況について、以下の表で確認しておきましょう。

| 規制の主体 | 名称や機能 | 2026年現在の状況 |
|---|---|---|
| Google Chrome | サードパーティCookie廃止方針 | 完全廃止は撤回されユーザーの選択に委ねられる |
| Apple Safari | ITP機能 | サードパーティCookieを完全にブロック済み |
それぞれの詳しい状況について、順を追って解説します。
Google ChromeのサードパーティCookie廃止撤回
Googleは長らく、自社のブラウザであるChromeにおいて、サードパーティCookieを完全に廃止する計画を進めてきました。
しかし、2024年にこの方針を大きく転換し、強制的な廃止を取りやめ、ユーザー自身が追跡を許可するかどうかを選べる仕組みに変更すると発表しました。
これにより、すべてのサードパーティCookieが即座に使えなくなる事態は回避されましたが、安心するのは早計と言えます。
多くのユーザーが追跡を拒否する設定を選ぶと予想されており、実質的にはサードパーティCookieに依存したマーケティングは徐々に難しくなっていくと考えるのが自然でしょう。
参考:[Privacy Sandbox][ウェブのプライバシー サンドボックスに向けての新たな道筋]
参考:[iapp][Google ends third-party cookie phaseout plans]
Safari(ITP)による強力な追跡ブロック
Googleとは対照的に、Appleが提供するSafariでは、すでにサードパーティCookieがシステムによって完全にブロックされています。ITPという強力なトラッキング防止機能が組み込まれており、ユーザーの行動をサイト横断で追いかけることはできません。
日本国内において、スマートフォンのブラウザシェアでSafariは約半数を占めています。つまり、モバイルユーザーの多くにはすでにサードパーティCookieを使った広告配信や正確な追跡が機能していないという事実を、マーケターは重く受け止めるべきです。
【2026年最新】Cookie規制:国内外の法規制
Cookie規制は、各国の法律によって異なるルールが定められており、日本企業であっても海外向けサービスを提供する場合は複数の法律への対応が求められます。
日本国内では改正個人情報保護法や改正電気通信事業法によって規制が強化されており、EU圏ではGDPR、米国カリフォルニア州ではCCPAといった厳格な法律が施行されています。
自社のビジネスがどの法律の適用対象となるのかを正しく理解し、適切な対応を行うことが重要です。
日本の改正個人情報保護法と改正電気通信事業法
日本においても、Cookieの取り扱いに関して年々厳しさを増しています。
2022年に施行された改正個人情報保護法では、Cookieなどのデータを第三者に提供し、提供先で個人情報と結びつく場合には、ユーザー本人の同意を得ることが義務付けられました。
さらに、2023年に施行された改正電気通信事業法では、Webサイトから外部の分析ツールや広告システムへデータを送信する際、その目的をユーザーに通知・公表するルールが加わっています。
参考:総務省「外部送信規律に関する情報をまとめた特設ページ」
このように、日本の法規制に従ってプライバシーポリシーを整備し、法令を遵守した運用を行う必要があります。
【EU】GDPR(一般データ保護規則)と eプライバシー指令
GDPRは、欧州連合(EU)で2018年5月に施行された、個人データ保護のための規則です。この規制によって、Cookieを取得する際にはユーザーの同意が必要になりました。
Cookieポリシーを作成し、「事前同意取得(オプトイン)」をポップアップなどで表示させる必要があります。
この規則の中ではCookieも個人データだと定義されており、個人データを収集、使用する組織、データの対象になる個人のいずれかが、EU域内に拠点を置いているケースで適用されます。
また、EU居住者の個人データを収集、処理する場合は、EU域外に拠点を置いていなくてもGDPRの適用対象となるので、国外で事業展開している企業は対応が求められるでしょう。
【米国】CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)
CCPAは、2020年1月1日に施行(執行開始は2020年7月1日)された「カリフォルニア州の消費者プライバシーの保護」に関する法律です。消費者に関する非常に幅広いデータが保護対象に含まれており、Cookieも例外ではありません。
CCPAでは、カリフォルニア州居住者に対して以下の権利が付与されています。
- 個人情報の開示請求権
- 個人情報の削除請求権
- 個人情報の「販売」に対するオプトアウト権
企業に求められる対応として、個人情報を第三者に販売する場合には、「Do Not Sell My Personal Information」と記載されたオプトアウトのページを作成し、該当ページへのリンクを明示しなければなりません。
また、第三者に個人情報データを共有する場合には、消費者が自身のデータ削除や利用停止できるようオプトアウトができる仕組みを整える必要があります。
この法律では、カリフォルニア州に住む消費者の個人情報が保護対象として扱われており、カリフォルニア州でネットサービスを提供する組織はCCPAへの対応が必要になります。
参考[JETRO][ジェトロ、2020年1月施行の米カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)に関する実務ハンドブックを発表]https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/12/a12eec5b4d5f1e1f.html
Cookie規制がデジタルマーケティングに与える影響
Cookie規制は、これまでのデジタルマーケティングの常識を根底から覆すほどの影響を持っています。
企業が当たり前のように行ってきた広告のターゲティングや、成果の計測が以前のようには機能しなくなっているからです。
とくに、サードパーティCookieに大きく依存していた手法は、早急に代替手段を見つけなければ、売上や集客に深刻なダメージを与える可能性があります。

マーケティング活動における具体的な影響範囲を、以下の表に整理しました。
| 影響を受ける領域 | 従来できていたこと | 規制による変化と影響 |
|---|---|---|
| 広告の配信 | サイトを離れたユーザーを追跡して広告を表示 | ターゲットの特定が難しくなり広告効果が低下 |
| 成果の計測 | どの広告経由で商品が売れたかを正確に把握 | 経路が途切れ、正しい費用対効果の算出が困難になる |
| データ分析 | 複数サイトをまたいだユーザーの興味関心を分析 | 断片的なデータしか取得できず顧客理解が浅くなる |
具体的にどのような場面で困りごとが発生するのか、詳しく見ていきましょう。
リターゲティング広告の精度低下
過去に自社のWebサイトを訪れたユーザーに対して、別のサイト上で広告を表示するリターゲティング広告は、非常に費用対効果の高い手法として人気を集めてきました。
しかし、サードパーティCookieが制限されると、ユーザーが別のサイトへ移動した瞬間に追跡ができなくなる可能性があります。
その結果、広告を表示すべきターゲットを見失い、商品に関心のない人にまで無駄な広告配信をしてしまう確率が高まります。広告費の無駄打ちが増えるだけでなく、以前のような高いコンバージョン率を維持することが難しくなるという課題に直面するでしょう。
コンバージョン計測やアクセス解析の難化
広告をクリックしてから商品を購入するまでの経路を正確にたどることも、Cookie規制によって難しくなります。ユーザーが広告を見てから数日後に別の経路で商品を購入した場合、従来の仕組みではCookieを利用して広告の成果として記録できていました。
しかし、追跡期間が制限されたりデータが途切れたりすることで、どの広告が本当に売上に貢献したのかが分からなくなります。正しいデータに基づいたアクセス解析ができなくなれば、マーケティング予算の適切な配分や施策の改善を行うことが困難になります。
企業が今すぐ取り組むべきCookie規制への対策
Cookie規制の影響を最小限に抑え、今後も安定したマーケティング活動を続けるためには、新しい環境に適応するための準備が必要です。外部のデータに頼るのではなく、自社で取得したファーストパーティデータを安全かつ有効に活用する戦略へとシフトしなければなりません。
また、ユーザーから正しく同意を得るためのツールを導入し、法律を守りながら信頼関係を築く姿勢が重要になります。

企業が優先的に取り組むべき具体的なCookie規制への対策を、以下の表にまとめました。
| 対策の方向性 | 具体的な施策例 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 自社データの活用 | カスタマーデータプラットフォームの導入 | サードパーティCookieに依存しない顧客分析の実現 |
| 法令の遵守 | 同意管理ツールを用いたポップアップ表示 | ユーザーのプライバシー保護と法令違反リスクの回避 |
| 広告手法の転換 | コンテキストターゲティングの採用 | 記事の内容に合わせた自然な広告配信による効果改善 |
これらの対策をどのように進めていけばよいのか、具体的なステップを解説します。
ファーストパーティデータの活用基盤構築
これからの時代に欠かせないのが、自社のWebサイトや実店舗で直接収集したファーストパーティデータの活用です。会員登録時の情報や購入履歴など、ユーザーとの直接的な関係から得られたデータは、外部の規制に影響されにくいという強みを持っています。
これらのデータを一元管理するために、カスタマーデータプラットフォームなどのシステムを導入する企業が増えています。顧客一人ひとりのニーズを深く理解し、適切なタイミングでメールやLINEを送るなど、広告に頼らない強力なアプローチが可能になります。
同意管理ツールによる適法な運用
日本の法律や海外の規制に対応するためには、ユーザーからデータを取得する際に明確な同意を得る仕組みを整える必要があります。Webサイトを訪れた際に、画面の下部などに「Cookieの利用に同意しますか?」というメッセージを表示する同意管理ツールが効果的です。
単にメッセージを表示するだけでなく、ユーザーが不要なデータの提供を拒否できる仕組みを提供することが求められます。透明性の高い運用を行うことで、企業としての信頼性が高まり、結果としてデータ提供に協力するユーザーを増やすことにもつながるでしょう。
サードパーティCookieに依存しない広告手法の導入
リターゲティング広告の効果が薄れる中で注目を集めているのが、サードパーティCookieを使わない広告手法です。
例えば、ユーザーの過去の行動ではなく、今読んでいる記事の内容や文脈に合わせて広告を表示するコンテキストターゲティングがあります。
料理のレシピ記事を見ている人に調理器具の広告を出すような手法であり、ユーザーのプライバシーを侵害することなく、高い関心を惹きつけることが可能です。
このような代替技術を積極的にテストし、自社に最適な新しい広告戦略を確立することが急務となっています。サードパーティCookieへの規制は今後も加速するため、以下のように別の方法でのトラッキングを検討する必要があるでしょう。
- ファーストパーティCookieの活用
- Cookieを利用しないアクセス解析ツールの導入
当社のアクセス解析ツール「どこどこJP」は、アクセスユーザーのIPアドレスを元にデータを取得するため、Cookie規制の影響を受けないのが強みです。ユーザーの位置情報や法人情報などもわかるほか、広告サービスと連携すれば詳細なターゲティングも実現可能になります。
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Cookieの利用は、サイトに訪れるユーザーの利便性を向上させるほか、マーケティングにも活用されてきましたが、近年はユーザーのプライバシー保護の観点から規制する動きが強まっています。現段階ではサードパーティCookieが規制の対象になっていますが、今後どのように規制が広がっていくかわからないため、Cookieに依存しないマーケティング手法が求められるようになるでしょう。
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まとめ
この記事の要点をまとめます。
- Cookie規制はユーザーのプライバシー保護を目的としており、主にサードパーティCookieによる追跡が制限されている
- Google Chromeによる完全廃止は撤回されたが、Safariでのブロックや日本の法規制強化は現在も進行している
- ファーストパーティデータの活用や同意管理ツールの導入など、自社データに基づく新しいマーケティング戦略が必要である
Cookie規制は単なる技術的な制限ではなく、企業が顧客とどのように信頼関係を築くかが問われる重要なターニングポイントです。正しい知識を持ち、ユーザーに寄り添った透明性の高い対応を進めていくことが、今後のビジネスの成長につながるはずです。
Cookie規制についてよくある質問(FAQ)
Cookie規制の分野は専門用語が多く、複雑な仕組みが絡み合っているため、実務を担当する中でさまざまな疑問が生じるはずです。
法律の解釈や技術的な対応など、社内で方針を決める際に迷いやすいポイントをあらかじめ知っておくことで、スムーズな意思決定が可能になります。
ここでは、担当者からよく寄せられる代表的な疑問と、その回答をまとめました。
以下の表で全体像を確認し、詳細な解説を参考にしてください。
| よくある質問 | 回答の要約 | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| 規制対象はすべてのCookieか | いいえ、主にサードパーティCookieが対象 | 自社サイトで発行するファーストパーティCookieは活用可能 |
| 法律違反時の罰則はあるか | はい、行政指導や制裁金の対象になる可能性がある | 日本の法律だけでなく対象国の法律も確認が必要 |
それぞれの疑問について、さらに詳しく解説を加えていきます。
規制対象はすべてのCookieですか?
規制の対象として厳しい目が向けられているのは、主に第三者が発行し、サイト横断でユーザーを追跡するサードパーティCookieです。
自社のWebサイト内でログイン状態を保ったり、買い物のカート情報を保持したりするために使われるファーストパーティCookieについては、基本的に規制の主な対象外とされています。
ただし、ファーストパーティCookieであっても、個人を特定できる情報と紐づけて分析に利用する場合は、プライバシーポリシーに利用目的を明記する必要があります。
すべてのCookieが使えなくなるわけではないため、種類ごとの役割を正しく理解し、適切に使い分けることが重要と言えます。
法律に違反した場合の罰則はありますか?
法律で定められた義務を怠った場合、国や管轄機関から行政指導や勧告を受ける可能性があり、それに従わない場合は罰則が科されるリスクがあります。
日本の個人情報保護法においては、重大な違反があった企業に対して罰金が科せられる規定が存在します。
また、ヨーロッパの一般データ保護規則のように、企業の年間売上の数パーセントという莫大な制裁金が設定されている法律もあるため注意が必要です。
罰金などの金銭的なダメージだけでなく、社会的な信用を大きく損なうことのほうがより深刻な問題となるでしょう。
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