自社のWebサイトで不審なアクセスが増加し、ボットによる被害を懸念する担当者は少なくありません。本記事では、ボットの基本的な仕組みや具体的な被害の手口、企業が取るべき防御策やツールの選び方を解説します。

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ボットとは

ボットはインターネット通信の大部分を占めており、企業が運営するWebサイトやシステムとも深く関わっています。一口にボットといっても、その役割や目的はさまざまです。自社に迫るリスクを正確に把握するために、まずボットの全体像を理解しておきましょう。


人間に代わって自動化されたタスクを実行するプログラムを指す

ボット(Botは英語のRobotの略称)とは、人間に代わって一定のタスクを自動で実行するプログラムを指します。あらかじめ設定されたルールに従い、単純作業を高速かつ大量に処理する仕組みです。人間が手作業で行うには時間がかかるデータ収集や応答を瞬時にこなすため、さまざまなシステムで活用されています。

検索エンジンのクローラーなど有益な良いボットも存在する

インターネット上には、ユーザーや企業にとって有益な働きをする良いボットが存在します。代表的な例は、Googleなどの検索エンジンがWebサイトの情報を収集するために巡回させるクローラーです。これらはWebサイトの利便性を高めたり、情報を正しく検索結果に反映させたりするうえで重要なプログラムとして機能します。

悪意を持ってサイバー攻撃を仕掛ける悪いボットが問題になる

企業が対策すべきなのは、悪意を持ってサイバー攻撃や不正なデータ収集を行う悪いボットです。システムの脆弱性(ぜいじゃくせい:プログラムの欠陥)を突いてサーバーに負荷をかけたり、機密情報を盗み出したりします。放置すると企業活動に深刻な影響を及ぼします。

悪意あるボットはどのような被害をもたらすか

悪意あるボットによる被害は、一度発生すると業務停止顧客への実害に直結するケースも少なくありません。その影響は自社システムの内部にとどまらず、取引先や顧客にまで波及することもあります。

どのような被害が起こりうるかを把握しておくことが、対策の優先度を正しく判断するための第一歩です。


大量のアクセスでサーバーを落とすDDoS攻撃を引き起こす

大量のボットを一斉に特定のWebサイトへアクセスさせ、サーバーをダウンさせるDDoS攻撃(ディードス攻撃)を引き起こします。

サーバーの処理能力を超える負荷がかかることで、正規のユーザーがサイトにアクセスできなくなります。ECサイトなどで発生した場合、販売機会の損失ブランドイメージの低下に直結します。

不正なログインを繰り返してユーザーのアカウントを乗っ取る

過去に別のサイトから流出したIDやパスワードのリストを悪用し、自動で不正なログイン試行を繰り返す被害も発生します。

ボットの高速処理により短時間で膨大なパターンの入力が行われ、認証を突破されるとアカウントが乗っ取られます。顧客の個人情報漏洩や不正なポイント利用といった深刻な事態に発展します。

サイト上の価格や顧客データを自動で抽出するスクレイピングを行う

自社のWebサイトから、価格情報や商品データ、顧客のレビューなどが自動で抽出されるスクレイピングの被害を受けます。

スクレイピング自体はデータ収集の技術ですが、悪意あるボットに無断で自社の独自データを大量にコピーされると、ビジネス上の優位性を損ないます。アクセスが集中してサーバーの応答速度が低下する原因にもなります。

決済ポータルで盗んだカード情報を自動入力するカーディングを行う

クレジットカードの決済ページで、盗んだカード番号や有効期限をボットに自動入力させ、決済が成功するかを試すカーディングが行われます。

有効なカード情報が特定されると、別の犯罪に悪用されます。被害を受けた企業は、クレジットカード会社からペナルティを受けたり、チャージバック(売上取消)による金銭的損失を被ったりします。

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ボットはどのような経路でシステムに侵入するのか

ボットの被害を防ぐには、攻撃者がどのような手口でシステムへ侵入するかをあらかじめ把握しておくことが重要です。侵入は特定の一カ所から起きるとは限らず、メールやWebサイト閲覧など日常的な業務の中に潜んでいます。

侵入経路を知ることで、自社のどこに対策を優先すべきかが明確になります。


ウイルスメールに添付された不正なファイルを開くことで感染する

業務を装ったメールに添付された不正なファイルを開くことで、端末がボットに感染します。取引先や社内の人間を偽装した巧妙なメールが送られてくることも少なくありません。

添付ファイルを開いたり本文中のURLをクリックしたりすると、バックグラウンドでボットプログラムがダウンロードされます。一度感染すると、社内ネットワーク全体へ被害が拡大します。

侵入用に改ざんされたWebサイトを閲覧しただけで感染するリスクがある

攻撃者によってあらかじめ改ざんされたWebサイトを閲覧しただけで、気づかないうちにボットに感染する経路があります。これはドライブバイダウンロード攻撃と呼ばれます。

ユーザー側がファイルのダウンロード操作を行わなくても、ページを開いた瞬間にブラウザの脆弱性を突かれて、不正なプログラムが実行されることがあります。

このような攻撃は、個人の注意だけでは防ぎきれない場合があります。

OSやソフトウェアの脆弱性を突かれてネットワーク経由で侵入される

サーバーやパソコンのOS、利用しているソフトウェアに存在する脆弱性を突かれ、インターネット経由で直接ボットが侵入します。

更新プログラムが適用されていない古いシステムは攻撃の標的になりやすく、ネットワークの出入り口に適切な防御策が講じられていないと、外部からの不正な通信を許してしまう恐れがあります。

ボットの被害を防ぐために企業が取るべき対策

ボットによる被害を未然に防ぐには、単一の施策だけでは不十分です。攻撃の手口が多様化している現在、日常的なシステム管理の見直しから専用ツールの活用まで、複数の防御策を組み合わせた多層的なアプローチが求められます。

自社の環境を見直す際の参考として、実施すべきボット対策を順に確認していきましょう。


OSやアプリケーションが常に最新のバージョンへ更新されているか見直す

OSやソフトウェア、Webアプリケーションを常に最新のバージョンへ更新し、脆弱性を解消することが基本的な対策です。

攻撃者は、公表された脆弱性を狙ってボットを侵入させます。ベンダーから提供されるセキュリティパッチを速やかに適用する運用ルールを定め、放置されている古いシステムがないか定期的に点検します。

ネットワークを監視して不審なアクセスを早期に検知する体制を構築する

ネットワーク内を流れる通信を常時監視し、通常とは異なる不審なトラフィックを早期に検知する体制を整えます。

たとえば、深夜帯に海外の特定のIPアドレスから大量のアクセスが集中している場合、ボットによる攻撃の疑いがあります。ログの定期的な確認や、異常を検知した際に管理者へアラートを通知する仕組みを導入し、初動対応を迅速化します。

ただし、「不審なアクセスがある」ことが分かっても、そのアクセス元がどの企業・組織・国・ネットワークから来ているのかが分からなければ、適切な対策は取りづらくなります。

IPアドレスの情報を解析することで、

  • 海外からのアクセスなのか
  • VPN・匿名プロキシ経由なのか
  • データセンターやクラウド事業者からなのか
  • 特定企業・組織からなのか

といった情報を把握でき、怪しいアクセスの原因分析アクセス制御に役立ちます。

総合的なセキュリティソフトを導入してマルウェアを駆除できる環境を整える

社内のすべての端末にエンドポイント向けの総合セキュリティソフトを導入し、マルウェア(悪意のあるソフトウェアの総称)の感染を防ぎます。

万が一ウイルスメールを開いたり不正なサイトを閲覧したりしてボットが端末に入り込んでも、セキュリティソフトが振る舞いを検知して実行をブロックします。定義ファイルは常に最新の状態に保つ運用が求められます。

専用のボット対策ツールを導入して悪意あるアクセスを自動で遮断する

高度化するボットのアクセスを見破るため、専用のボット対策ツールWAF(Web Application Firewall)を導入します。近年は人間の操作を精巧に模倣するボットが増えており、従来の手法では検知が困難です。

専用ツールを活用すれば、アクセス元のデバイス情報や行動パターンを分析し、悪意ある通信のみを自動で遮断できます。ボット対策では、CAPTCHAやWAFだけでなく、アクセス元IPアドレスの属性情報を利用した制御も有効です。

例えば、

  • 海外からのアクセスのみ遮断
  • VPN・匿名プロキシ経由をブロック
  • データセンターからの大量アクセスを制御
  • 特定企業や組織からのアクセスのみ許可・拒否

といった制御を組み合わせることで、より精度の高いボット対策を実現できます。

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自社に合うボット対策ツールの選び方

ボット対策ツールは数多くの製品が存在し、検知精度や対応範囲、サポート体制には大きな差があります。

費用をかけて導入しても、自社の環境や運用体制に合わなければ十分な効果は得られません。後悔のない選定をするために、製品を比較検討する際の判断軸を整理しておきましょう。


正規のユーザーを妨害せずに脅威だけを正確に検知できるか確認する

一般の顧客や検索エンジンのクローラーなど、正規のアクセスを誤って遮断しない、つまり誤検知が少ないツールであるかを確認します。

防御設定を厳しくしすぎると、本来のユーザーがサイトを利用できなくなり、ビジネスに悪影響が出ます。人間とボットを正確に識別できる高度な検知エンジンを搭載しているかが重要です。

IPアドレスだけで一律に遮断すると、正規ユーザーまでブロックしてしまう恐れがあります。

国・回線種別・VPN・匿名ネットワーク・クラウド事業者など、IPアドレスの属性情報を細かく判定できるサービスであれば、必要なアクセスだけを制御でき、誤検知を減らせます。

最新の攻撃手法に対応して検知モデルを継続的に更新できるか調べる

攻撃者は検知をすり抜けるためにボットの行動パターンを絶えず変化させるため、最新の脅威に対応できる更新頻度の高いツールを選びます。

AI機械学習を活用して未知の攻撃手法を自動で学習する機能や、グローバルな脅威インテリジェンスと連携して検知モデルをアップデートする製品が有効です。

導入後の運用やトラブル対応の手厚いサポートを受けられるか評価する

ツールの導入初期運用中に発生するトラブルに対し、ベンダーから適切なサポートを受けられるかを評価します。

設定の調整や誤検知発生時の対応など、専門的な知識が必要な場面は少なくありません。自社に専任のセキュリティ担当者がいない場合は、迅速な問い合わせ対応や、運用を代行するマネージドサービスが用意されているかを確認します。

怪しいIPアドレスの調査・アクセス制御ならどこどこJP

悪意あるボットの多くは、IPアドレスを利用してアクセスしてきます。

そのため、

  • どこの国から来ているのか
  • VPN・匿名プロキシなのか
  • クラウドサーバー経由なのか
  • データセンターなのか
  • 企業・大学・官公庁などの組織なのか

を把握できれば、不審なアクセスの原因分析やアクセス制御をより効果的に行えます。


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どこどこJPでは、IPアドレスから100種類以上の属性情報を取得でき、ボット対策不正アクセス対策に活用できます。

例えば、

  • VPN・匿名プロキシアクセスの検知
  • 海外IPの判定
  • データセンターIPの判定
  • 特定組織からのアクセス判定
  • アクセスログの分析
  • Webサイトへのアクセス制御

など、企業のセキュリティ強化に役立つ情報をAPIで提供しています。

  • 「怪しいIPアドレスを調べたい」
  • 「海外アクセスだけ遮断したい」
  • 「VPN経由のアクセスを制御したい」

といった課題をお持ちの場合は、ぜひどこどこJPへお問い合わせください。

まとめ

企業の信頼顧客データを守るために欠かせない、ボット対策の重要ポイントを振り返ります。

  • 悪意あるボットは、サーバーダウンや情報漏洩といった実害を引き起こす
  • 不正ファイルや改ざんされたサイト、システムの脆弱性が主な侵入経路となる
  • 脆弱性の解消やネットワーク監視など、多層的な防御策を徹底する
  • 高度化する脅威には、専用のボット対策ツールを導入して自動遮断する
  • ツール選びでは、誤検知の少なさ、更新頻度、サポート体制を基準に判断する

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