Webマーケティングに携わっている方であれば、サードパーティCookieの廃止に関するニュースを耳にしたことがあるのではないでしょうか。2024年にGoogleがサードパーティCookieの段階的な廃止を撤回したことで、多くのマーケティング担当者が「結局どうすればよいのか」と混乱しています。
本記事では、サードパーティCookie廃止にまつわる2026年現在の最新動向や、企業が直面する課題について分かりやすく解説します。この記事を最後までお読みいただくことで、今後のマーケティング予算の割り振りや、自社が今すぐ取り組むべき具体的な対策が明確になるでしょう。
サードパーティCookie廃止の最新動向(2026年現在)
サードパーティCookieの廃止に関する話題は、近年デジタルマーケティング業界で常に注目を集めてきました。当初、GoogleはChromeブラウザにおいてサードパーティCookieを完全廃止する計画を進めていましたが、方針の変更を発表しています。

まずは、現在の規制状況と対応について整理しておきましょう。
Google Chromeは完全廃止からユーザー選択制へ移行
Googleは2024年7月に、それまで進めていたサードパーティCookieの段階的な完全廃止計画を撤回しました。その代わりとして、ユーザー自身がウェブの閲覧全体に適用されるプライバシー設定を選択できる新しい仕組みをGoogle Chromeに導入する方針を発表しています。
これは、Cookieを強制的に無効化するのではなく、ユーザーの意思でトラッキングを許可するかどうかをコントロールできるようにするアプローチへの転換を意味します。この発表を受けて安堵した担当者も多いかもしれませんが、実態としてトラッキングを拒否するユーザーが増えることは容易に想像できます。
結果的に、企業が収集できるサードパーティCookieのデータ量は、今後も減少していく傾向にあると言えるでしょう。
プライバシー保護の重要性は今後も変わらない
Googleの方針が転換されたとはいえ、世界的なプライバシー保護の潮流が逆行することはありません。EUのGDPR(一般データ保護規則)や日本の改正個人情報保護法など、法的な規制も年々厳しくなっています。
インターネット上の行動データを本人の知らないところで収集し、広告配信に利用するという従来のやり方は、すでに社会的に受け入れられにくくなっているのが実情です。そのため、廃止が撤回されたからといって以前のマーケティング手法に逆戻りするのではなく、プライバシーに配慮した新しい仕組みへの移行を進めることが重要になります。
そもそもサードパーティCookieとは?
デジタルマーケティングの対策を考える上で、そもそもCookieがどのような仕組みで動いているのかを理解しておく必要があります。
Cookieとは、ウェブサイトを訪問した際にブラウザへ保存される小さなデータファイルのことです。このファイルには、誰がどのドメインから発行したかによって、大きく二つの種類が存在します。

ファーストパーティCookieとサードパーティCookieの違い
ファーストパーティCookieは、ユーザーが現在閲覧しているウェブサイト自体が発行するデータです。例えば、ECサイトで商品をカートに入れたまま別のページに移動してもカートの中身が消えないのは、このファーストパーティCookieが機能しているためです。ユーザーの利便性を高めるために不可欠な技術であり、現在でも厳格な規制の対象にはなっていません。
一方でサードパーティCookieは、閲覧中のサイトに埋め込まれた外部の広告配信サーバーなどが発行するデータとなります。ユーザーが意図していない第三者によって行動が追跡されるため、プライバシーの観点から問題視されるようになりました。
Webマーケティングにおける重要な役割
サードパーティCookieは、これまでデジタルマーケティングのインフラとして重要な役割を担ってきました。
異なるウェブサイト間を移動するユーザーの行動履歴を横断的に収集できるため、興味関心に合わせた精度の高い広告配信が可能になります。また、ユーザーが広告をクリックしなくても、広告を見た後に別の経路で商品を購入したこと(ビュースルーコンバージョン)を計測する際にも役立っていました。
このように、ターゲットを絞り込んで効率よく広告予算を投下し、その成果を正確に把握するために、サードパーティCookieは欠かせない存在だったと言えます。
他の主要ブラウザの規制状況
Google Chromeの動向に注目が集まりがちですが、ウェブブラウザはChromeだけではありません。日本国内でも多くのシェアを占めるスマートフォンやPC向けの主要ブラウザでは、すでに強力な規制が実施されています。
そのため、自社の顧客がどのブラウザを利用しているかによって、すでに大きな影響が出ている可能性があります。

AppleのSafariにおけるITPによる完全ブロック
Safariは、Appleが提供するブラウザであり、特に日本のスマートフォン市場において非常に高いシェアを持っています。
SafariにはITP(Intelligent Tracking Prevention)と呼ばれるプライバシー保護機能が搭載されており、すでにサードパーティCookieはデフォルトで完全にブロックされています。つまり、iPhoneから自社のウェブサイトへアクセスしてきたユーザーに対しては、これまでのサードパーティCookieに依存したマーケティング施策が機能しない状態です。
若年層や女性向けの商材を扱う企業にとっては、Safariの規制による影響はすでに深刻な課題となっています。
FirefoxとEdgeにおけるトラッキング制限
Firefoxを提供するMozillaや、Edgeを提供するMicrosoftも、ユーザーのプライバシーを守るための機能を強化しています。
FirefoxではETP(Enhanced Tracking Protection)という機能により、サイトを横断してユーザーを追跡するCookieが標準でブロックされる仕組みです。
Edgeは、トラッキング防止機能がデフォルトで有効(バランスモード)になっており、有害なトラッカーによる外部ドメインからの不要なデータ収集をバランスよく制限しています。
このように、Chrome以外のブラウザではすでにCookieレス環境が標準化されているため、企業側は環境の変化への対応を進める必要があります。
サードパーティCookie規制が企業に与える3つの影響
サードパーティCookieの制限が強まることで、企業のマーケティング活動には具体的にどのような影響が出るのでしょうか。
広告配信から効果測定、そしてデータ分析に至るまで、幅広い領域でこれまでの常識が通用しなくなります。各領域における影響度と課題を整理して把握しておくことが大切です。

リターゲティング広告の精度低下と効果の悪化
最も分かりやすい影響の一つが、リターゲティング広告のパフォーマンス低下です。
過去に自社のウェブサイトを訪れたユーザーに対して、別のサイトを見ているときに自社の広告を表示する手法は、サードパーティCookieに大きく依存しています。Cookieが制限されると、ユーザーが自社サイトを離れた後にどこにいるのかを把握できなくなるため、広告配信の機会そのものが減少してしまいます。
結果として、購入意欲の高いユーザーへのアプローチが難しくなり、顧客獲得単価(CPA)が高騰する原因となります。
広告効果測定とコンバージョン計測の欠損
広告運用の最適化において、どの広告が成果に結びついたかを正確に把握することは極めて重要です。
しかし、サードパーティCookieがブロックされると、ユーザーが広告をクリックしてから商品を購入するまでの経路が途切れてしまうことがあります。本来であれば広告のおかげで発生した売上であっても、システム上は「広告経由ではない」と判断され、コンバージョンデータが欠損してしまうのです。
データが不正確になると、どの広告キャンペーンに予算を投下すべきかという意思決定を見誤るリスクが高まります。
データ分析ツールでの正確なトラッキングの困難化
アクセス解析ツールを利用してユーザーの行動を分析する際にも、Cookieの制限は影を落とします。
ユーザーのデバイスやブラウザを正しく識別できなくなるため、同じ人が複数回サイトを訪問しても、毎回「新しいユーザー」としてカウントされてしまう現象が起きます。これでは、顧客が初回訪問からどのような経路をたどって購入に至ったのかという、正確なカスタマージャーニーを描くことができません。
顧客理解を深めるためのデータ基盤が揺らいでしまうことは、中長期的なマーケティング戦略において大きな痛手となります。
企業が今すぐ取り組むべき4つの対策
これまでの広告手法が機能しにくくなる中で、企業は立ち止まっているわけにはいきません。サードパーティCookieに依存しない新しいマーケティング環境を構築するために、いくつかのアプローチが存在します。
ここでは、企業が優先して取り組むべき実践的な対策を4つ紹介します。

ファーストパーティデータの収集と活用
今後のマーケティング戦略の核となるのが、自社で独自に収集・保有するファーストパーティデータの活用です。
会員登録時の情報や、自社サイト内での購買履歴、アンケート結果など、ユーザーの同意を得て直接取得したデータは、外部の規制に左右されません。これらのデータをCRMやCDPで統合することで、一人ひとりの顧客への理解を深めることができます。
蓄積したデータを広告媒体と安全に連携させることで、既存顧客と似た属性を持つ新規ユーザーへ広告を配信するなど、高度なマーケティング施策が可能になります。
コンバージョンAPIの導入による計測精度向上
広告のコンバージョンデータの欠損を防ぐために有効なのが、コンバージョンAPI(CAPI)と呼ばれる技術の導入です。
従来のCookieベースの計測ではブラウザを経由してデータを取得していましたが、コンバージョンAPIは企業のサーバーから広告プラットフォームのサーバーへ直接データを送信します。ブラウザのトラッキング規制を回避できるため、より正確な成果計測が可能となり、広告媒体の機械学習の精度を維持することに繋がります。
主要なSNS広告や検索広告プラットフォームの多くがこのAPIを提供しており、計測環境のアップデートとして導入を進める企業が増加しています。
コンテキストターゲティングへのシフト
ユーザーの過去の行動履歴を追跡する代わりに、現在ユーザーが閲覧しているコンテンツの文脈(コンテキスト)に合わせて広告を配信するコンテキストターゲティングが再評価されています。
例えば、旅行に関するブログ記事を読んでいるユーザーに対して、スーツケースや航空券の広告を表示するといった具合です。この手法であれば、ユーザーの個人情報やCookieを取得する必要がないため、プライバシー規制の影響を受けません。
コンテンツに興味を持っている瞬間に適切なメッセージを届けられるため、高い広告効果が期待できる手堅いアプローチとなります。
代替技術やプライバシーサンドボックスの注視
Googleをはじめとするテクノロジー企業は、サードパーティCookieの代わりとなる新しいプライバシー保護技術の開発を続けています。
その代表例が、Googleが提唱するプライバシー・サンドボックスという構想です。これは個人の行動を直接追跡するのではなく、興味関心が似ているユーザーをグループ化して匿名性を保ちながら広告を配信する仕組みなどを提供するものです。
技術的な仕様は頻繁にアップデートされているため、最新情報の収集と、自社の広告運用にどのように組み込めるかの継続的な検証が求められます。
サードパーティCookieに依存しないマーケティング戦略
個人情報保護法の改正などの影響により、Cookieの取り扱いが厳しく制限されるようになりました。これまで主流であった手法が困難になる中で、サードパーティCookieに頼らないマーケティング施策が必要不可欠です。ここでは、IPアドレスを用いた具体的なアプローチについてご紹介します。

IPアドレスから法人を特定する新たなアプローチ
Cookieを利用せずに自社サイトの訪問企業を把握する方法として、IPアドレスからアクセス元を判別する技術が注目を集めています。
株式会社FUTUREWOODS様の事例では、この仕組みを自社の営業支援ツールに組み込みました。サイトを閲覧した法人をIPアドレスに基づいて特定し、自動でリスト化する機能を活用しています。この手法を用いることで、自社サービスに関心のある見込み客へ効率的なアプローチが可能となりました。
Cookieレス時代にどこどこJPが選ばれる理由

サードパーティCookieに依存せず訪問企業を可視化できる
サードパーティCookie規制によって、匿名ユーザーの追跡やリターゲティングは難しくなっています。一方で、BtoBマーケティングでは「どの企業がサイトを訪問したか」を把握することが重要です。どこどこJPはIPアドレス情報を活用し、Cookieに依存せずアクセス企業の可視化を支援します。
営業・マーケティングの連携強化につながる
訪問企業データを活用することで、資料請求前の見込み顧客を発見し、インサイドセールスや営業活動に活かすことが可能です。
既存のMA・CRMとの連携も可能
取得した企業情報を既存のMAやCRM、営業支援ツールと組み合わせることで、Cookieレス時代の新たなデータ活用基盤を構築できます。
この記事の要点について簡潔に振り返ります。
- Google ChromeはサードパーティCookie完全廃止を撤回し、ユーザー選択制へ移行した
- Safariなどの主要ブラウザでは、すでにサードパーティCookieが厳しく制限されている
- 今後はファーストパーティデータの活用が重要になる
- コンバージョンAPI(CAPI)などの代替技術を活用し、計測精度を補う必要がある
最新の規制動向に合わせて、マーケティング施策を柔軟にアップデートしていきましょう。
最後に
Cookieレス時代の法人営業・BtoBマーケティングを強化しませんか?
サードパーティCookie規制が進む中、Webサイト訪問者の把握方法を見直す企業が増えています。
どこどこJPでは、IPアドレスを活用した法人判定により、Cookieに依存しない見込み顧客の可視化を支援しています。
- 自社サイトに訪問している企業を把握したい
- BtoBマーケティングの成果を高めたい
- 営業リスト作成を効率化したい
このような課題をお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
Cookieレス時代の法人アクセス解析や訪問企業の可視化を進めたい方は、
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