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背景

事例インタビュー

CASE

資料請求を待たずに“動いている企業”を捉える

インテントデータとどこどこJPで実現した、先回り型インサイドセールス

株式会社エイトレッドはワークフローシステム専業メーカーとして、民間企業から行政機関まで5,000社以上にワークフローシステムを提供しています。ニッチな領域に特化しながら、2007年の設立以来ワークフロー一本で事業を続けてこられました。

今回は、株式会社エイトレッドのマーケティング部でアライアンスを担当する高橋 脩氏にお話を伺いました。

マーケティング組織に所属しながら、インサイドセールス(主にBDR:新規開拓を担当し、アウトバウンド中心で商談創出を行うポジション)とアライアンス活動を担い、展示会や共同セミナーの企画、カンファレンス出展、さらには顧客同士が交流するコミュニティ運営まで幅広く関わる立場から、日々「どうすれば商談につながる接点を早く持てるか」を考えてこられました。

高橋氏が感じていた最大の課題は、「資料請求を起点にしたアプローチでは、すでに遅い」という現実でした。

問い合わせが来たときには、もう比較が終わっている

「資料請求を待つだけでは遅いのではないか」——​
インサイドセールスの現場に入った高橋氏は、次第にそうした違和感を覚えるようになりました。​

従来は、資料ダウンロードをきっかけにMAでナーチャリングし、検討温度が高まった段階で商談化を狙う運用を行っていました。​

しかし実際の顧客は、すでに事前に十分な情報収集を行い、一次・二次選定を終えたうえで問い合わせてくるケースが増えていました。​そのため、メーカーが最初に接点を持つ頃にはすでに競合が入り込んでおり、最後に「比較対象」として並べられる立場になってしまうことも少なくありません。​

こうした状況では、資料請求を待つだけのやり方には限界がある——高橋氏はそう感じていました。​

一方で、「問い合わせはなくても、サイトには来ているはずだ」という感覚もありました。
実際、「半年後に検討します」と言われて待っている間に、知らないうちに意思決定が進んでしまうことも珍しくありません。​

​顧客の言葉だけでなく、“行動”を捉える必要がある。​
そう考えたことが、次の一手につながります。​

外部インテントを軸に、どこどこJPで“確度”を補強

いち早く顧客の行動を捉える方法を検討する中で着目したのが、ITreviewのインテントデータでした。​ どの企業がどの製品カテゴリを比較しているかといった動きが見えるため、「今まさに検討している可能性のある企業」を把握できる点で有用だと考えました。​

しかし一方で、ITreviewのデータだけでは「その企業が自社サイトを見に来ているかどうか」は分かりません。​

そこで高橋氏は、外部インテントデータを“軸”にしながら、どこどこJPで取得できる自社サイトの来訪データを重ねる運用を考えました。検討している“可能性”と、実際に自社情報を見に来ている“行動”を掛け合わせることで、アプローチの優先順位を明確にする狙いです。

実装は決して大掛かりなものではなく、ITreviewのデータを日次でCSV出力し、Googleスプレッドシートに取り込み、Salesforceで管理しているハウスリストと突合。どこどこJP側でも、アクセス日や閲覧回数などを並べ、両方に該当する企業には印を付けていきました。

「両方に来ている企業は、きっと反応が違うはず」。そんな仮説のもと、二重で印が付いた企業を優先的にBDRの対象にしていきました。

“片っ端から電話”をやめるための、現実的な武器

こうして優先度の高い企業を見極められるようになったことで、高橋氏が特に問題視していた従来型のアウトバウンド営業にも変化が生まれます。​                                      企業リストを渡され、代表番号に片っ端から電話をかけるやり方は、従業員規模が大きい企業ほど非効率で、精神的な負荷も大きいものでした。​

どこどこJPによって「どの企業がサイトを見ているか」が分かることで、少なくとも“全く関心のない先”に電話する必要はなくなりました。特に、過去に問い合わせはあったものの商談化しなかった企業や、長期間動きのなかったハウスリスト先が再び動いていることが分かる点は、大きな後押しになったといいます。

運用開始から1か月以内に成果が出始め、BDRで月5件以上のアポイント獲得につながりました。一方で、未経験領域への挑戦やルール面の制約に悩み、「正直、心が折れそうになった時期もあった」と振り返ります。それでも続けられた理由は、データによる裏付けがあったからでした。

イベント後・商談中にも効く「行動データ」

この取り組みは、BDRだけでなく展示会やイベント後のフォローにも活用されています。数百、数千件のリードが獲得できても、すべてを均等に追うのは現実的ではありません。イベント後にサイトを再訪している企業をどこどこJPで把握し、優先順位を付けることで、取りこぼしを減らす運用が可能になりました。

さらにこの行動データは、イベント後のフォロー以外にも、すでに商談が進んでいる顧客の状況把握にも役立つといいます。                                                 例えば、「しばらく検討します」と言われた後でも、実際にはその後数週間のうちに、サイトを繰り返し確認している企業も少なくありません。顧客の言葉を疑うのではなく、言葉とは別の“動き”を把握することで、営業側が次のアクションを判断する材料となっているそうです。​

商談化データをもとに、次の段階へ

高橋氏は現在、次の段階の取り組みにも着手しています。それが、​商談化した案件を振り返り、「どのタイミングで、どの程度サイトを見ていたか」を分析することです。

高橋氏が商談化した案件を分析したところ、アポイントにつながった案件の約3分の1は、資料ダウンロードなどの明確なコンバージョンを伴っておらず、代わりに、複数回サイトを訪問した後に商談化していることが分かりました。​つまり、資料請求などのアクションがなくても、サイト上の行動には検討度の高まりが示唆されてる可能性があります。
実際、どこどこJPでは「複数日にわたる来訪」や「一定以上の表示回数」、ITreviewでは「価格ページの複数回閲覧」といった行動が見られる企業ほど、商談につながりやすい傾向も見え始めているそうです。​

​こうした傾向も踏まえ、行動データをもとに、アプローチすべき企業の優先度判断をさらに磨いていくことが、今後のテーマだといいます。​

データは“電話をかける理由”ではなく、“向き合うべき課題を見つけるため”にある

高橋氏は、どこどこJPやインテントデータを「単に電話をかける口実をつくるためのもの」とは捉えていません。むしろ重要なのは、顧客が今どんな課題意識を持ち、どこで立ち止まっているのかを考えるための材料だと語ります。

例えば、どの課題ページを見ているのか、どの機能や価格情報を何度も確認しているのか。そうした行動の積み重ねから、「この企業は承認フローに課題があるのではないか」「この規模感であれば、別の論点がありそうだ」といった仮説を立てることができるようになります。高橋氏にとってデータは、売りたい製品を押し出すためのものではなく、初回接点で“どんな話から始めるべきか”を考えるための下地です。

特にエンタープライズ企業では、「ワークフローを導入したい」という要望がそのまま本質的なニーズであるとは限りません。実際には、内部統制や業務分断、属人化といった課題が背景にあり、その解決策の一つとしてワークフローが検討されているケースが多いからです。だからこそ、高橋氏は初回の接点で製品説明から入るのではなく、「御社では、こういった点が課題になっていませんか」と問いを投げかけられる状態をつくることを重視しています。

そのために、インテントデータやどこどこJPで得られる行動情報を、商談履歴や公開情報と合わせて整理し、ディスカッションの土台を整える。データはアポイントを取るための道具ではなく、顧客と同じ課題を見つめるための共通言語だ——高橋氏の言葉からは、そんなスタンスが一貫して伝わってきました。

インタビュー企業プロフィール

株式会社エイトレッド

事業内容

ワークフローのチカラを全ての企業へ

ワークフローシステムの開発・提供を行う企業です。クラウド型ワークフロー「X-point Cloud」や「AgileWorks」を通じて、社内の申請・承認業務の効率化やペーパーレス化を支援しています。多くの企業に導入されており、業務改善やDX推進を支えるサービスを展開されています。

事業内容:下記サービスの開発および販売

URL:https://www.atled.jp/