見込み顧客の閲覧情報を可視化:営業部門が自らアクセス解析し業務効率化を実現へ
物流作業に欠かせない機器となっているパレット。パレットの標準化とパレット利用の共同化を推し進めようとしている日本パレットレンタル(JPR)様。2015年からどこどこJPをご利用いただいている経緯から、営業と広報連携の時間削減、今後の希望について、広報部門の有賀様にお聞きしました。
物流パレットのサイクルを効率的に行う「共同回収システム」
日本パレットレンタル株式会社は、1971年の創業以来、その名の通り、物流現場で使用されるパレットのレンタル事業を主軸としております。テレビなどでフォークリフトが物資を運搬するシーンをご覧になったことがあるかと思いますが、その際にフォークリフトの爪に引っ掛けて荷物を運ぶための板を「パレット」と呼びます。当社はそのパレットのレンタルを主要事業としています。
取り扱っているパレットは、標準パレットと呼ばれる1100mm×1100mmの正方形のものが主です。これらをお客様(主にメーカー様)にお貸し出しし、パレットに載せた商品が卸業者様や小売業者様への納品・輸送に利用されています。
サービスの特徴として、使用済みパレットを回収する仕組みである「共同回収システム」を構築しております。これは、多くの企業様が卸業者様へパレットで納品した後、空いたパレットをまとめて回収する仕組みです。これが当社の最大の特徴です。
この仕組みが重要である理由は、メーカー様などパレットを用いて商品を輸送されるお客様が、自社でパレットを購入して輸送することも可能ですが、使用済みパレットの回収が非常に困難であるためです。まず、パレットが空になるまで待つ必要があり、ある程度の数量がまとまらないと、トラックの積載率が低くなってしまいます。また、その間、空いたパレットを保管していただくよう納品先様にお願いしなければならず、先方にご負担をおかけすることになります。かといって、パレットを購入して納品後に使い捨てにするのは非常にもったいないことです。
例えば、ある卸業者様には、数十から数百ものメーカー様が納品を行います。その結果、パレットが集まりやすくなり、空いたパレットを定期的かつ短いサイクルで効率的に回収することが可能となります。これが当社サービスの最大の特徴です。
そのため、当社の取引先は、パレットを取り扱う物流企業様、商品を販売する企業様、製造メーカー様、その物流子会社様、さらには物流を委託されている業者様など、多岐にわたります。
2015年から「どこどこJP」を導入し、見込み顧客を効率的にリスト化
「どこどこJP」を導入する以前は、他社のアクセスログ解析ツールを利用しておりました。そのツールには、「どこどこJP」と同様に、どの企業が閲覧したかを社名として一覧表示する機能があり、それを活用していました。しかし、当社が「どこどこJP」を導入した2015年よりもかなり前に、その解析ツールの提供がサービス終了となってしまいました。
当社としては、ホームページをどの企業がどの程度閲覧しているかという見込み顧客のリストは、営業部門からの要望が非常に高かったため、「Google Analytics」を活用したり、そこから取得したデータを企業名が見えるように加工するなど、かなりの手間をかけて作成しておりました。それが非常に大変であったため、より効率的にリスト化し、企業名をすぐに確認できる方法を探していたところ、Geolocation Technology社の「どこどこJP」というサービスに行き当たりました。
「どこどこJP」と「GA4」(Google Analytics 4)を連携させ、さらにGA4のデータを可視化できる「Looker Studio」を活用してリスト化しています。これらのリストは社内のイントラネットに掲載し、営業メンバーがいつでも関心のある企業様がどのようなコンテンツを閲覧したかを確認できるようにしています。共有方法としては、「Looker Studio」をそのまま営業メンバーが操作できる状態で提供し、リストには例えばA社様がページビュー50、B社様がページビュー35といった形で一覧表示されています。営業メンバーがA社様を選択すると、A社様がどのページを何回閲覧したかまで詳細に確認できるようになっています。
導入当初は、社内のイントラネットが未整備であり、「Looker Studio」も利用していなかったため、「どこどこJP」からリストをダウンロードし、社内向けにメールで配信できるよう加工していました。しかし、この方法では手間と人員を要し、非常に困難でした。企業名は「どこどこJP」で把握できましたが、情報を見やすく美しく表示することがメールでは難しかったため、「Looker Studio」を導入し、グラフ化・リスト化を行うようになりました。以前から「どこどこJP」を利用していたため、データの閲覧自体には特に問題はありませんでした。
広報部門から営業部門へ。時間を短縮し、顧客の興味を察知
「どこどこJP」と「Looker Studio」を導入する前は、営業メンバーから「A社様がどのページを閲覧しているかのリストを調べてほしい」といった依頼が広報部門に頻繁に寄せられていました。その都度、広報部門が「Google Analytics」で調査し、情報を共有していましたが、これは非常に手間のかかる作業でした。
しかし、「どこどこJP」と「Looker Studio」を導入してからは、広報部門が営業メンバーに「こちらを見れば分かりますよ」と案内するだけで済むようになりました。営業メンバーもいちいち問い合わせることなく、その場で必要な情報を確認できるため、広報部門の作業を待つことなく、希望するリストを把握できます。これにより、大幅な時間削減が実現しました。
さらに、営業メンバーも詳細な情報を知りたい場合に、広報部門に再度依頼する手間や遠慮がなくなりました。リアルタイム性も向上し、自分の都合の良いときに、希望する期間のリストを閲覧できるようになったため、使い勝手が大幅に良くなったと感じています。
営業部門の運用においては、問い合わせや資料のダウンロード、見積依頼があった企業様のリストを活用していますが、さらにその企業様が当社ウェブサイトで何を閲覧したかを基に接触を行っています。例えば、資料をダウンロードしたが見積依頼をされていない企業様に対して、営業メンバーが訪問する際には、ダウンロードされた資料が商品Cであっても、商品Dや商品Eも閲覧している場合は、複数の商品資料を携えて訪問するなどの対応を行っています。
連絡先が判明している訪問先にお伺いする際、相手がどのような興味を持っているのかを把握するために、これらの閲覧情報を最大限に活用しています。
また、問い合わせがなくてもページビューが非常に高い企業様に連絡を取るケースもありますが、まずは商談の可能性が高い企業様から優先的に確認し、訪問を進めていく形を取っています。
閲覧企業の分析により、ページビュー、新規顧客の増加
営業部門以外にも、広報部においてホームページを閲覧する企業様の分析を開始しました。弊社のリストと「どこどこJP」のリストを照合し、既存のお客様が何割、新規のお客様が何割、学生の方が何割閲覧しているかを把握しています。「どこどこJP」のレポートからアクセス企業のデータを簡単にダウンロードできるようになりましたので、それを活用しております。
また、単に数値を見るだけでなく、どのような企業様がサイトを訪れているかを把握しながら、分析を進めています。さらに、広報部ではnoteを活用しており、ホームページのページビュー数も増加し、新規のお客様の割合も上昇しております。
長年お使いいただいての課題感と希望
「どこどこJP」と連携している「GA4」の設定に苦労することが多々あります。また、既存のお客様か新規のお客様かの振り分けや経路分析を非常にアナログな方法で行っているため、自動化を図りたいと考えています。弊社のリストと「どこどこJP」のリストを突き合わせる際、データの形式が若干異なるため、データの整形に多大な手間がかかっており、この点を改善したいと思っています。
Cookieを使用せずに特定できるという点は、大きなメリットであると感じています。さらに、弊社の規模からすると、安価に活用できており、導入が非常に容易でした。導入当初は比較対象となるサービスを聞いたことがありませんでしたが、仮に比較サービスがあったとしても、価格に対するサービスの質を重視して選択したと思います。
インタビュー企業プロフィール
日本パレットレンタル株式会社
【人々を重労働から解放したいという思いを胸に】
私たちは、物流業界において必需品である物流容器「パレット」のレンタルを基軸とした事業を展開しております。世の中でまだ一般的でなかった「標準化・共用化」や「一貫パレチゼーション」を一から推進し、物流の効率化とインフラ整備に取り組んでまいりました。効率的な物流の「しくみ」を構築・提供することで、日本全体の物流改善を図ることこそが、私たちに与えられた使命であると考えております。